2023.07.27
脳はアルコールを欲しがる? この不思議な相性!② [薬学博士からのアドバイス]
脳科学的栄養学No.239
脳はアルコールを欲しがる? この不思議な相性!②
◇アルコールは「脳の関門」を簡単に突破できる
脳には血液脳関門(ブラッド・ブレイン・バリア=BBB)と呼ばれる“脳の門番”があり、脳にとって有害な物質をブロックしています。
そのため、分子量500以下の低分子の物質や、脂溶性の物質に限って血液脳関門を通過することができます。
アルコールは、この2つの条件を満たしている(エタノールの分子量は46.07)ので、やすやすと脳に到達できるのです。
血液脳関門については、私の「GROWTH健康づくり協会」のオンラインクラブ「脳と食」の講座でも取り上げ詳しく解説しております。
血液脳関門の本体である脳の毛細血管は、内皮細胞が密着して結合していることなどから、血液から脳の組織へ物質の移動を制限する機能を担っています。
アルコールは胃と腸で吸収された後、血液を介してあっという間に脳に届きます。
つまり、いとも簡単に血液脳関門を通り抜けてしまうということです。
この事実を知ると、酒好きの方は、「脳はアルコールを歓迎しているのではないか?」と思ってしまいますよね。
この事実は、神様のギフトか、悪魔のギフトなのか分かりません(^_-)-☆
確かに、酒好きには脳がアルコールを歓迎しているとしか考えられないでしょう。
だから、酒は脳にとって「神様のギフト」だと言ってしまいたくなりますよね。
血液脳関門は、非常に強力なバリアです。脳を保護する最強の防御ラインです。
ですから、アルコールが脳にとって有害なものであるのなら、進化の過程でアルコールが血液脳関門を通れなくなってもおかしくないですよね!。
脳は体にとって最も大切な臓器のひとつであり、全身の調節を24時間行っているところ。
そんな脳がアルコールを受け入れているということは、アルコールは脳にとって毒ではないのでは、とも考えられるのです。
「いいぞ、いいぞ」という声が酒飲みから聞こえてきそう(^_-)-☆。
愛飲家の一人として、がんばって屁理屈を、いや、サイエンスで話していきますよ。
つづく
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