最新研究で分かったヤセ習慣 [薬学博士からのアドバイス] | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2020.08.20

最新研究で分かったヤセ習慣 [薬学博士からのアドバイス]



科学的栄養学No.119

◇最新研究で分かったヤセ習慣

 「噛むだけ」、「立つだけ」で体脂肪が減少

 

 

ダイエットのためにいろいろチャレンジしている方も多いと思います。

 

ダイエットには食事内容や運動のほかにも、影響する生活習慣があることが最新の研究から分かってきました。

 

今回はそのヤセ習慣のうちの「ゆっくりかむ」「こまめに立つ」の2つを紹介します。

 

いずれも1年間続けると、それぞれ体脂肪1.5kg、2.5kgの差になることが明らかになっているのです。 

早速実践してみてください(^^)/。

 

〇ヤセ習慣1: ゆっくりかむ

1年で体脂肪1.5kgの差 朝と夜で効果異なる?

 

早食いの人は太りやすいとよくいわれます。

 

 有名なのは、東京工業大学でおこなわれた研究で、男性10人を対象にブロック状の栄養補助食品と水200mlを、早く食べたときとゆっくり食べたときのDIT(食事誘発性熱産生:食後の消費エネルギー)を比較した試験です。

 

結果は、ゆっくり食べたときは、食後90分までDITが高い状態が続いていました(*1)。
 

この差は1回の食事で見ると小さいが、1年間積み重ねれば、体脂肪1.5kg分を消費する計算になるという。

 

 同じ東京工業大学の試験で、女性84人を対象に、サケおにぎり1個(174kcal)を普段と同じように食べたときにかかった時間や咀嚼(そしゃく)回数を記録し、体脂肪率との相関を調べています。
 

その結果、体脂肪率の低い人ほど、ゆっくり食べる傾向があったとのこと*2

 

 咀嚼の研究は進んでおり、このほど発表された研究結果では、朝、咀嚼回数を増やしたときの方が夜より、血糖調節ホルモンであるインスリンの初期分泌を促すことがわかったという。

 

この試験では、朝と夜で異なる咀嚼回数で、血糖値やインスリンの値などを調べています。

 インスリンの初期分泌が悪い人は、糖尿病に進展しやすいことがわかっています。朝ほどしっかりかむことが必要になるということのようです。

 

〇ヤセ習慣2>:こまめに立つ

1年間続けて体脂肪2.5kgの差

 

立っている時間を延ばすだけで消費カロリーは増えて、長期間続ければ体重を減らすこともできるようだ。

 

複数の研究を統合的に解析した米国の研究でわかってきました。

 

 座位や立位に関する46件の観察研究や臨床試験から合計で1184人のデータが解析された。対象者の平均年齢は33歳、男性が60%を占め、体格指数(BMI)の平均は24、平均体重は65kgだった。

 

この対象者において、立位時の消費カロリーは平均で1.47kcal/分、座位時は1.29kcal/分で、立位時と座位時の差の平均は0.15kcal/分だった。

そこで、座位を立位に替えたとすると、
6時間で平均54kcal多く消費することになります。

 

この差は小さいようですが、1年間続けた場合、体脂肪の重さで計算すると2.5kgほど減ることになります。

 

 なお女性より男性のほうが座位と立位の消費カロリーの差は大きく、これは筋肉量の違いによるものだと研究者らは説明しています(*3)。

 

*1Obesity; 22,E62-E69, 2014

*2 J Nutr Sci Vitaminol;63,174-179,2017

*3Eur J Prev Cardiol.; 25,522-538,2018 
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