勘違い?これは大丈夫だと思っていたのに実は糖質の多い、食品だった! [薬学博士からのアドバイス] | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2020.09.11

勘違い?これは大丈夫だと思っていたのに実は糖質の多い、食品だった! [薬学博士からのアドバイス]



科学的栄養学No.122

 

◇勘違い?これは大丈夫だと思っていたのに実は糖質の多い
 食品だった!

 

「炭水化物抜きダイエット」や「糖質オフ」といった食べ方が広まったことで、糖質を控えようとする人が増えています。

 

しかし、炭水化物や糖質について誤解されている方もまだまだ多くいます。

 

炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたものであり、米飯、パン、麺類などの主食以外にも、芋類、果物類、根菜類をはじめとする野菜、調味料、嗜好品、嗜好飲料など多くのものに含まれる栄養素です。

 

炭水化物や糖質を抜いたり控えたりすることに対する可否は諸説ありますが、糖質量を摂りすぎている場合は、見直すことは必要です。そこで、今回は糖質の“質”ではなく“量”に注目して解説しました。

 

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、炭水化物の摂取目標量は、必要摂取エネルギーの5065%とされている。1日のカロリーを1,600kcalと設定した場合、800kcal1,040kcalの炭水化物を摂取することが推奨され、単純にこれを糖質(4kcal/g)のみで算出すると糖質量は200260gとなります。

 

また、「糖尿病食事療法のための食品交換表(第7版)」に基づき、1,600kcal 20単位、食事に占める炭水化物の割合を55%に設定した場合、炭水化物を多く含む食品を示す表1では9単位が配分されます。

 

これを1単位80kcalとして算出した場合は720kcalとなり、糖質のみで計算すると180g720kcal÷4kcal/g)となります。

 

ただし、炭水化物は食物繊維も合わせたものを指しますので、食物繊維を考慮すると、糖質量はこれより減らして考える必要があります。

 

「炭水化物量、糖質量を見直しましょう」というと、多くの方は、炭水化物=米飯、パン、麺類などと捉え、主食を抜くことを意識しますが、実際の糖質過多の原因は他の食材であることが多いのです。

 

今回は、ごはん一膳に含まれる糖質量と「大丈夫と思いがちだけれど、実は糖質量の多い食材」を比較してみました。

 

果物は果糖をはじめ、糖を多く含む食材です。そのため、甘みを感じる果物は、より糖質を多く含みます。

 

また、トウモロコシや芋、レンコンも思いの外、糖質が多い食材です。野菜ジュースや100%フルーツジュースは、健康のために飲む方が多いですが、意外にも糖質量は多めです。

 

甘くないから大丈夫と思われるせんべい類やヘルシーと言われる春雨スープ、冬の時期に出回るおでんなどに入る練り物なども糖質を多く含む食材です。

 

日常の食生活の中で「主食を必要量より減らそう」とするよりも、まずは、このように糖質が多く含まれ、何気なく食べてしまっている食材を意識しましょう。

 

糖質量の改善につながるだけでなく、主食を減らす負担なども軽減できるため、食事の満足度にもつながっていきます。

 

:炭水化物のうち、でんぷんを多く含む食品であり、たんぱく質も少し含む。穀物、いも類やその加工食品、かぼちゃなどの野菜、栗や銀杏などの種実類、大豆以外の豆類を含む。

 

参考文献

1)日本糖尿病学会編・著.糖尿病食事療法のための食品交換表 改定第7.日本糖尿病協会・文光堂;2013.p16-31.

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