妊娠中の有害な経験と5歳時のADHD症状との関連 [薬学博士からのアドバイス] | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2020.07.16

妊娠中の有害な経験と5歳時のADHD症状との関連 [薬学博士からのアドバイス]



科学的栄養学No.114

妊娠中の有害な経験と5歳時のADHD症状との関連

 

これまで妊娠中の有害なライフイベント(精神的につらい経験)の経験は、子供のADHD(注意欠陥多動障害)と関連があるといわれています。

 

スウェーデン・カロリンスカ研究所の調査結果からも、妊娠中の有害なライフイベントが、子供のADHD症状との関連が明らかになりました。

 

調査はノルウェー母子コホート研究(Norwegian Mother and Child Cohort Study)に参加した子供3万4,751例(6,427例の兄弟姉妹を含む)のデータを収集。

 

母親からは、妊娠中に特定のライフイベントを経験したかどうかの報告を収集。

 

5歳時のADHD症状は、Conners' Parent Rating Scale-Revised(CPRS-R)簡易版を用いて評価。

 

その結果

・有害なライフイベントに曝露した子供では、5歳時のADHD発症リスクが高かった

なかでも最も影響が大きかったのは金銭的な問題だという。
また、最も影響が小さかったのは親しい人の喪失であった。

・母親がつらいまたは困難な経験をした場合には、イベント数に応じてADHDスコアが上昇した。


 著者らは「本結果では、妊娠中の有害なライフイベントと子供のADHD症状との関連性が示唆された」としている。

 

原著論文はこちら

Rosenqvist MA, et al. J Child Psychol Psychiatry. 2018 Oct 27. [Epub ahead of print]

 

 

【私からのコメント】

妊娠中に受ける精神的なダメージがADHDの発症リスクを高めるということからも、妊娠中は家族の愛情や周囲の温かな見守りなど、穏やかな環境で過ごすことの大切さが十分にうかがわれます。

 

胎児は健康に生まれる権利を持っています。

 

私が警告している経皮毒では、胎児が母体を通じて環境中の有害化学物質に曝露されることにより、その赤ちゃんのその後の人生に大きな障害を与える可能性があることをこと懸念しています。

 

特に受胎3カ月以内で胎児の脳の神経ネットワークを決定する設計図が出来上がります遺伝子発現

 

この時期に有害化学物質の影響を受けると、曝露時期や曝露量、曝露期間、化学物質の種類などにより様々な影響を与えることにつながります。

 

近年、増加傾向にあるADHDLD(学習障害)、切れやすい、いじめ、差別などの子どもたちの異常行動の多発する原因の一つにつながっているとみています。

 

また、胎児期の遺伝子に受けた様々なライフイベントが、晩発性といって思春期になって発症する対人社会行動障害、母親になってからの子育て行動障害(幼児虐待)、また若年性認知症の発症などは、その原因は同じ延長線上にあると考えています。

 

また、脳神経系発達障害のみならず、内分泌や免疫系などの遺伝子発現時期に曝露されることで、原因不明のアトピーや、また生殖障害など発生とも関連しています。

 

私が提唱している「科学的栄養学®」は、子どもたちの脳を環境化学物質から守るために、①「脳環境科学経皮毒」講座と、健やかな脳の発達を促す脳の欲する食と栄養の摂り方を、③「知的サプリメントライフ」講座、ならびに不幸にして胎児期に環境化学物質による軽度発達障害を受けても、その後の人生に生涯にならない生き方、考え方の選択していく脳の操縦法を③「ブレインバランス・コントロール」講座からなり、いじめや差別、虐待などの悲惨な事例を少しでも失くしていくための情報をお伝えしています。

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